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インベスターズトラストの元本確保型商品S&P500は低リスクなのか?(2)

S&P500 インベスターズトラスト
2016 2月 2

元本確保型という事で話題になっているインベスターズトラスト社のS&P500という商品について、多大なリスクが伴うことを肝に銘じておくべきです。

*

目次

元本確保型の積み立て投資商品S&P500のメリット

 

前回の記事では、インベスターズトラストの元本確保型商品であるS&P500について簡単な解説をしました。

 

メリットについては、紛れも無く「元本確保型」である事です。

 

15年間定期拠出プランを選択した場合、15年間で運用利益が元本の40%を超えれば超えた分もリターンとして還元されます。

 

マイナス運用になった場合でも元本の140%が保証されます。

 

7年一括払いプランを選択した場合、満期時にリターンが出ていれば当然その分は還元されますし、マイナス運用であっても元本の100%が保証されます。

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元本確保型の積み立て投資商品S&P500に存在するリスク(デメリット)

 

では、デメリットについてはどうでしょうか?

 

前回の記事でも書いた通り、ポイントは、

 

積み立てを途中で辞めたり、減額したり引き出したらどうなるのか?

 

そもそもなぜ元本が確保されるのか?その原資はどこにあるのか?

 

この2点だと思います。

20160202_4

リスクその1、契約当初通りの積み立てをしないと元本保証されない

 

公式ウェブサイトの説明をちゃんと読むと書いてありますが、満期時140%保証という項目の注釈に以下のような記述があります。

 

元金確保型にはロイヤルティボーナスも含まれます。契約説明書に記載通りの拠出が行われていない場合、元金は保証されません。

 

ロイヤルティボーナスという言葉が出てきました。これに関しても注釈があり、

 

ロイヤルティボーナスは、支払予定の拠出金が全て猶予期間内に支払い済みで拠出金の減額がなく、一部解約がない、プランに対してのみ適用されます。

 

とあります。

 

まさに書いてある通りですが、契約当初に設定した積み立て金額を全て滞り無く支払った場合、かつ一部解約、つまり引き出しをしていない場合にのみ、ロイヤルティボーナスが支払われると書いてあります。
※ロイヤルティボーナスは1年目から10年目:拠出金の7.5%、11年目から15年目:拠出金の7.5%

 

積み立ての一時停止、減額、一部引き出し等を一度でもしてしまうと、このロイヤルティボーナスが支払われない、そして、元本確保型にはロイヤルティボーナスが含まれます、という事は

 

積み立ての一時停止、減額、一部引き出し等を一度でもしてしまうと元本140%保証がされない

 

という事です。

 

つまり通常の積み立て投資商品と同じ条件、むしろそれどころか不利な条件になります。

 

なぜ不利かというと、この商品はS&P500にしか投資をしておらず、分散投資が出来ていないからです。

 

ご存知の通り、S&P500は景気を表す指標として信頼性の高いものではありますが、リターンが安定しているわけではありません。

 

確かに、数十年という超長期単位で見れば右肩上がりの傾向がありますが、インベスターズトラストのS&P500の契約期間は15年ですので15年で考えると、最近15年ではリーマン・ショックがありましたね。

 

リーマン・ショックの2008年あたりではS&Pは大幅に下落しています。(詳細はヤフーファイナンス等でお調べ下さい)

 

このような下落の可能性が充分あるものと考えるべきです。

 

その為、積み立ての一時停止、減額、一部引き出し等を行った場合はS&P500のみに集中投資という高リスク性商品に早変わりします。

 

リスクその2、元本保証の原資が曖昧

 

さて、リスクのその2について、ほとんど触れられていない部分ではありますが、普通の投資家ならこういった商品を目にした時に真っ先に考える事がありますね。

 

元本保証の原資はどこにあるのか?

 

という事です。

 

もしもこのS&P500への投資が失敗してしまい、インベスターズトラストが多額の損失を出した場合、クライアントへの元本140%確保は一体どのようにして行われるのでしょうか?

 

インベスターズトラストはそんなにキャッシュが豊富な会社なのでしょうか?

 

これについては、同じく公式ウェブサイトの説明をちゃんと読むと書いてありますが、満期時140%保証という項目の注釈に以下のような記述があります。

 

元本の保証はStandard & Poor’s, Moody’sかFitchによってA以上に格付けされた投資機関の提供する仕組債によるものです。投資家はこれらの発行者/取引先のリスクを負います。これらの投資機関が支払い不能の状態に陥った場合には、投資家の資金の一部または全部が失われる可能性があります。

 

「元本の保証はStandard & Poor’s, Moody’sかFitchによってA以上に格付けされた」などという投資家を安心させるような事を書いていますが、ここには仕組債の詳細が全く書かれていませんね。

 

仕組債には色々な種類があり、発行した銘柄毎にリスクの醜類、リスクの大きさが全く異なります。

 

詳細についてはプランの説明資料をご覧ください。

 

とありますが、この仕組債の中身を詳細に確認しないかぎり、このS&P500の元本確保型というのは全く検討に値しない商品だと思います。

 

あらかじめ定められた参照指標に基づき償還金額が決定される仕組債においては、当該参照指標の変動により償還金額が変動することで、投資家が受け取る償還金に差損が生じるおそれがあります。

 

仕組債は、参照指標(ノックイン価格、ノックアウト価格)がどう設定されているか、償還方法がどのように決定されているかによってリスクが全く異なってきます。

 

この仕組債についての詳細こそ説明すべきものであるのに、元本確保型という誘い文句を全面的に押し出すインベスターズトラスト社の姿勢には疑問符がつきます。

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元本確保型とは、元本が100%戻ってくるという意味ではない

 

ここまでの説明を読んだ方ならもうお分かりかとは思いますが、元本保証あるいは元本確保という言葉は投資家を一見甘い道に誘惑する大変危険なワードです。

 

元本確保型という言葉の意味は、「ある一定の条件を満たした場合のみ、元本確保される」です。

 

こう言ってしまうと当たり前の事なのですが、元本・リターンを保証するという言葉があまりにも強烈過ぎて、不思議なことにリスクをしっかり検証することから頭から離れてしまうのです。

 

繰り返しますが、

 

インベスターズトラストの元本確保型積み立て投資商品S&P500インデックスは、「一時停止、減額、引き出しを15年間一切してはいけないというリスク」かつ「元本保証の元となっている仕組債のリスク」をしっかり理解した上で検討すべき商品

 

である事を肝に銘じておきましょう。

 

※弊社はインベスターズトラスト社にケチをつけるつもりはありません。ただ単純に、商品契約する際はリターンだけでなくリスクにもしっかり目を向けましょうという当たり前の事を言っているだけです。

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