2011年と2012年がヨーロッパの債務危機が世間を賑わした。債務の大きい国の頭文字をとってPIIGSなんていう言い方をしたのも今は昔。また2015年には中国人民元の切り下げもあった。そして2018年は米中貿易戦争。寄せては返す波のように、小さな危機が繰り返してはその都度株式市場は大きく成長してきた。2012, 2015, 2018とほぼ3年ごとに株式市場がほとんど伸びなかった時期をミニ・サイクルと呼ぶのであれば、そろそろ現在のサイクルは終わりをむかえようとしているように思える。 |

米中は「フェーズ1」の合意に至ったというニュースが一昨日駆け巡っており、貿易戦争を端に発した株式の低調はひとまず終わりをむかえようというところか。これからすぐに不景気入りするということが考えられない状況なので、おそらく2020年第1四半期はのんびりした展開が続くかもしれない。
中国経済、2020年は6%成長を目指す
2019年の成長率も6.5%から6%に修正したが、この傾向はしばらく続きそうである。個人的な実感としては6%よりもずっと少なく、3-4%がせいぜいではないかと思うし、2020年、発行された全社債の3分1が満期を迎え、中国企業は借り換えの必要に迫られる。このままデフォルトしていく企業は多く、米中貿易戦争の行方によっては中国経済はさらに大きなダメージを被る可能性がある。 そもそも、世界経済の調子がよくない状態が続いている。特に日本は消費税のダメージがこれから本格化してくるところだろう。下のグラフは米国、ユーロ、中国、ドイツの経済成長率をプロットしたものだがトレンドとしてはやはり下降気味だ。低い成長に対して低い金利で迎え撃ち無理やり世界の株式市場を上昇させているという構図となる。日本、そしてヨーロッパはゼロ金利政策が続いておりこれ以上下げられないなか(マイナス金利を深堀りすると言っているものの)、アメリカも利下げに踏み切っており低金利状態からの脱却はますます難しいことになる。 |

ポートフォリオ
ややリスク回避的なポートフォリオに変更はない。上記で「ミニ・サイクルが終わったか」とは書いたが、ここからさらにリスクテイクするためには現在の水準から20%以上は株式が下落しないと食指は動かない。今は本当に手頃なバリューで買えるものがないのだ。 |