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ロイヤルロンドンの早期解約を検討している方へ
ロイヤルロンドン(RL360°)のクォンタム(Quantmu)やパラゴン(Paragon)を契約しているお客様で、契約してからまだ2年未満の方からの解約に関する問い合わせを非常に多く頂きます。
中には、昨日契約したばかりでまだ一度も積み立てをしていないという方までいらっしゃいます。
こういった事が起こる背景には、このブログで何度も解説しているように、香港の金融ライセンスを持ったIFAではなく、正しい知識のない紹介者(ファイナンシャルプランナー含む)や代理店経由で商品の正しい内容を知らないまま契約してしまっているケースが多いという事実があります。
そういった方々は、契約してしまった後に色々な悪いうわさを聞いたりインターネットの情報を見たりして不安になり、とりあえず解約という行動に走ってしまいがちです。
この記事では、ロイヤルロンドンを早期解約するとどういう事になるか、簡単に解説してみたいと思います。
解約時の解約返戻金の概算を知るためには
ロイヤルロンドンを解約した時に戻ってくる金額は、
・お客様の契約年数
・解約時点での残りの契約年数
という2つの要素によって決まります。初期約束期間完了後に積み立てる口座を貯蓄口座といいますが、お客様の資産は
・初期口座
・貯蓄口座
の2つの口座で成り立っています。初期口座と貯蓄口座についてはこちらの記事で詳しく解説しています。そして初期約束期間終了後の途中解約に関しては、初期口座に対して契約残年数に応じた解約手数料がかかり、貯蓄口座に対してはかかりません。
契約残年数に応じた手数料率のテーブルは以下のとおりです。
RL360クォンタムを途中解約した場合の初期口座にかかる手数料率 | |||
残年数 | 解約手数料率 | 残年数 | 解約手数料率 |
1 | 8.00% | 16 | 73.50% |
2 | 15.50% | 17 | 75.50% |
3 | 22.00% | 18 | 77.50% |
4 | 28.50% | 19 | 79.50% |
5 | 34.00% | 20 | 81.00% |
6 | 39.50% | 21 | 82.50% |
7 | 44.00% | 22 | 84.00% |
8 | 48.50% | 23 | 85.50% |
9 | 52.50% | 24 | 86.50% |
10 | 56.50% | 25 | 87.50% |
11 | 60.00% | 26 | 88.50% |
12 | 63.00% | 27 | 89.50% |
13 | 66.00% | 28 | 90.50% |
14 | 69.00% | 29 | 91.00% |
15 | 71.50% | 30 | 91.50% |
※この表は弊社の調査を元に作成したもので、参考情報としてご覧ください。本データを元に発生した如何なる損害に関しても弊社は責任を負いません。
契約残年数に応じて初期口座に対する解約手数料は減っていきますが、満期を迎えるまで手数料はゼロにはなりません。そして早期解約には多額の手数料がかかります。例えば25年契約の方が15年ほど継続してから解約しても残年数は10年ですので56.5%は手数料として引かれてしまいます。
例1)25年契約で2年後に解約すると
毎月50,000円積み立て、25年契約している方の場合、
2年間が初期約束期間ですので、初期約束期間は過ぎていますが、残りの契約期間が23年ありますので、解約すると初期口座から85.5%の解約手数料が引かれます。
その為、120万円×0.855=約103万円が解約手数料として引かれますので、戻ってくる金額は約17万円となります。
例1)25年契約で5年後に解約すると
この場合、まず資産としては
初期約束口座:毎月50,000×24ヶ月=120万円
貯蓄口座:毎月50,000×36ヶ月=180万円
で合計300万円となっているはずです。
この時点で解約すると、残りの契約期間が20年ありますので、解約すると初期口座から81%の解約手数料が引かれます。その為、120万円×0.81=約97万円が解約手数料として引かれますので、初期口座から戻ってくる金額は約23万円となります。
これに貯蓄口座の金額を合計し、180+23=約203万円が戻ってくる金額となります。
上記の計算からは運用リターンや運用中にかかる各種管理手数料等は無視しています。解約手数料の考え方についての説明ですので、お客様の解約手数料を保証するものではもちろんございません。また、もしマイナスリターンであれば戻ってくる金額はもっと少ないですし、プラスリターンであればもう少し多くなる可能性はあります。
ロイヤルロンドンの早期解約はしてはいけない
ご説明してきたとおり、ロイヤルロンドンの長期積み立て投資は早期解約でほぼ確実に元本割れしてしまいます。ですので、弊社としましては、満期まで積み立て投資を継続し、確実に資産を残す事をおすすめしています。その為に必要なポートフォリオ管理やお手続きは弊社が代行します。サポートしてくれないIFAに高いアドバイザリーフィーを払うよりはよっぽど経済的な手段を提供できます。
解約を決断すべき時とは?
この記事の最後に、証券の解約をすべきかどうか悩んでいる方へ判断するためのポイントを解説します。
もはや最低金額でも積み立てを続けられない
これは当然ですが、積み立てに設定されている最低金額(概ねUSD200~300程度)を継続することが出来ない場合、持っていてもしょうがないので解約するという考え方はあります。ただ、契約残年数には十分注意してください。
どうしても緊急に資金が必要
積み立てを続けられないどころか、緊急の入院費用など急に資金が必要になった場合、かつ手数料無料の引き出しも出来ない場合、手数料かかってでも解約する方がいいかもしれません。
一部引き出しについては以下のリンクから御覧ください。
急な資金需要の強い味方?一部引き出し(Partial Withdrawal)
満期になった
おめでとうございます。長期の積立を満期まで持ち続けられたあなたは強い意志を持っています。
満期を迎えても通常、契約者が99歳になるまで運用は続きますので、為替や運用益の高い時を見計らって解約すれば良いと思います。