初期約束口座と貯蓄口座
積み立て投資をされている方でしたら、初期約束口座(Initial Account)と貯蓄口座(Accumulation Account)という概念は一度は聞いたことがあると思います。初期約束口座(以下、初期口座とします)は、契約開始からある一定の初期の期間中に積み立てる口座の事、貯蓄口座は初期口座が終わった後に積み立てる口座の事を指します。
この初期口座の一定の期間とは、商品と契約年数に依って異なりますが、短いもので18ヶ月、長いもので36ヶ月まであります。例えば、初期のフレンズプロビデントのプレミアを契約されている方は18ヶ月の方が多いと思います。スタンダードライフのハーベスト101では契約年数が25年の場合は24ヶ月です。今、香港SFCに認可されていて日本人が契約できる数少ない積み立て投資商品であるサンライフのサンアーキテクトやFTLife(旧アジアス)のオスカーなどは、最長36ヶ月まで設定されています。
初期口座の手数料について
さて、この初期口座ですが、貯蓄口座より手数料率が高い事は周知の事実かと思います。手数料率はプロバイダーによって異なりますが、年間で6%〜8%くらいです。年間で6%取られるという事は、もしこの初期口座だけで運用し続けた場合、毎年6%以上のリターンを出し続けないと資産が目減りしていく一方という事になります。積み立て投資においては、いかにこの初期口座の割合を減らすか、すなわち初期口座が終わった後の貯蓄口座にどれだけ資金を投じられるかが勝負の分かれ目と言えます。
初期口座に関する大きな誤解
弊社のお客様や、他に積み立て投資をされている方で、初期口座に対する手数料で大きな誤解をしている方が少なからずいらっしゃいます。それは、
「初期口座には最初の2年間だけ年間6%の手数料がかかる」
というものです。
これは恐らく、「初期口座は最初の2年間」という言葉と、手数料の話が混ざってしまっています。商品の仕組みをよく理解していない紹介者から伝言ゲームでこのような事になってしまっているのかもしれません。正しくは、
「初期の2年間に積み立てる初期口座に対しては、契約期間中ずっと年間6%の手数料がかかる」
という事です。(仮に初期口座を2年間、手数料を年間6%としています)もし初期口座に対してたった2年の間だけしか手数料がかからないのであれば、誰もが2年後に積み立てを辞めてしまうでしょう。そのような商品設計を保険会社がするわけがありません。初期口座に対しては、高額な手数料が契約期間中ずっとかかり続けます。だからこそ、初期口座が終わった後に、しっかり満期まで積み立てを継続することが大事なのです。積み立て投資を始めたばかりの方、これから始めようと思っている方は肝に命じておきましょう。