今のところバイデン候補がトランプを大きく引き離し、コロナから回復したヒーローという演出を狙ったトランプだが現実にはその差は開いている。政治ニュースサイトのRealClear Politicsによると、3/4/5月はトランプ有利だったもののそこから逆転、バイデン有利となり、トランプはいったんは9月には追い上げたが公開討論の喧嘩腰、そしてコロナを軽視していた自身がコロナにかかったことで大きく指示を落としているようだ。 RealClearPolitics – Betting Odds – 2020 U.S. President ただ、これでもうバイデン候補が確実に勝つかというとそれはまだ分からない。トランプが支持を取り付けるために無法図なコロナ対策財政支援や中国・北朝鮮に強気に出るなどし、あるいはバイデン候補が大統領になるには致命的な失点が今後出てくるかもしれない。 とはいえ仮にどちらが大統領になろうとも金融市場的にはあまり大きな違いはないとみている。バイデン候補はたしかに増税を公約にかかげているので金融市場的にはマイナスとなろうが、それ以上に中間層の所得を福祉や再配分によって安定させたり、中国との関係を見直したりするという意味では増税を上回るインパクトを十分に出せるはずだ。また逆にトランプが勝利することになっても、トランプはどういう振る舞いをするかは市場はもう知っているので大きな混乱要因ではない。 どちらにしろ株式市場、債券市場は大きな混乱なく大統領選を超えていくだろう。 |
大統領選後の相場 |
では大統領選後の相場はどうなっていくだろう。 私どもの考えではもう一段は上昇の余地があり、そこからはかなり不透明な展開になると予想している。もう一段上昇の余地がある、というのは、様々なコロナ対策の財政支援パッケージ、そして中央銀行による金融政策の効果は薄まってはいるものの、次に企業業績など遅れてやってくる指標に現れてくるだろう。コロナ下での企業業績予想があまりに低かったため、それを少しでも上回れば上昇圧力となる。 それ以降の不透明な展開とは、追加の緩和措置ワクチン開発米中の駆け引きなどが要因になってくる。 |
ポートフォリオ |
3月からリスクオンしていた私どものポートフォリオだが、先月までは特別リスクオンを変更しないと申し上げていた。不透明感によっては昨年までのようなまたリスクを減らしていくようなポートフォリオにしなければならない可能性がある。幸い、リーマンショックのような金融危機が再びやってくるリスクは高くない。金融機関は過剰なまでに資本を積み増している。 早ければ来年早々にポートフォリオ変更を実施し、クライアントのの資産を守っていきたいと考えている。 |