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売り時、買い時が分からない。だから流行を追う
投資の世界は、「安く買って高く売る」のが大原則です。しかし、どんな優秀なアドバイザーでも、その買い時と売り時を見極めるのが大変難しいという事は弊社のeBook(無料メールマガジン登録で入手可)でもご紹介しています。一方で、その時の「流行」へ投資するという方も多くいらっしゃいます。果たしてこれは正しいでしょうか?
投資の世界にはいつでも流行が存在する
1990年代は、株式のインターネット関連銘柄が流行していました。21世紀の初めは不動産、そして2008年頃に経済がつまずき始めると、誰もが原油やゴールドに関心を向けていきました。2009年で言うなら、株式の「環境関連銘柄」が流行です。
投資というものが存在する限り、流行も存在します。そのことは歴史を振り返れば明らかです。
1636年のチューリップ・バブル
記録に残っている最初の流行は、1636年の「オランダのチューリップ大流行」です。ピーク時にはたったひとつのチューリップの球根が現在の価値で750万円相当で取引されていました。
1720年の南海バブル
投資の世界の流行で驚愕の値段がついたのはチューリップ大流行に限りません。1720年には、あの天才として有名なアイザック・ニュートンも南海会社の株式に手を出し、大損をすることになりました。現在では南海バブルとして有名なこの出来事は、同社の株価が84%も下落する事態となりました。
狂乱の1920年代
アメリカにおける狂乱の1920年代には、平均株価(ダウ平均)は1929年9月3日の最高値の時点で497%も上昇しています。しかし、それから11月13日までの間に株式市場は48%も暴落し、さらに1932年7月8日の底値では高値から89%も下がりました。
1970年代の銀相場買い占め
ネルソン・バンカー・ハントとウィリアム・ハーバー・ハントは銀相場の買い占めを試みて、1979年から1980年までに銀市場を566%も上昇させました。しかしそこから1982年までに、銀の価格は77%も下落しました。
1980年代の日本経済バブル
1965年から1989年までの間、日本の株式市場は3100%も上昇しましたが、28年後の現在では、平均株価(日経平均)は1989年の高値から50%近く下落したままになっています。
1994年〜2000年のITバブル
そして、「インターネット・マニア」がやってきました。1994年から2000年までに、ナスダック株式市場は627%も上昇しましたが、2000年3月10日に最高値をつけたあとは3年間も下がり続け、2002年10月9日までに77%も下落しました。
2000年〜2005年の不動産バブル
2000年から2005年までに、不動産指数(S&P/ケース・シラー住宅価格)は102%も上昇しましたが、以前の流行と同様に、「アメリカの不動産相場」も急激に終わりを迎え、深く長引く不況へと落ち込んでいきました。
流行の投資はブームを迎え、常に破裂で終わる
このようなアメリカの不動産市況の崩壊さえも、次の流行に対する投資家の貪欲さを衰えさせるには至りませんでした。暫くの間、ゴールドや原油と同様、ブラジル、ロシア、インド、中国、いわゆるBRICs(ブリックス)と呼ばれる国々を中心とした新興国株式は、どれも暴騰していきました。
しかし、2008年に最高値をつけた後には暴落をはじめて、そこから環境関連の株式が後を継いでいるというのが現状です。
次の記事では、値段が上がってから流行に投資してしまう人が多い理由について述べます。