目次
積み立て全額解約の決断ポイントと手続きをご紹介します
投資家の皆様がIFAを通さなくても自分で各種手続きが出来るようになるようサポートするこのシリーズ。
今回は第6回目、積み立ての全額解約(Full Surrender)について解説します。
しかし、ほとんどの積み立て商品は、満期を迎える前に解約すると解約手数料がかかります。これを決断する為にはいくつかのポイントがありますので、手続きと合わせてご紹介します。
シリーズ全コンテンツとタイトルとリンクを以下に掲載します。
積み立てを契約したら出来る限り途中解約したくないというのは誰もが思うことですし、同時に途中解約した場合の戻ってくる金額は必ずチェックしておきたいものです。今回は解約する際の手続きとその手数料、解約を決断すべき時について解説します。
*
目次
投資家の皆様がIFAを通さなくても自分で各種手続きが出来るようになるようサポートするこのシリーズ。
今回は第6回目、積み立ての全額解約(Full Surrender)について解説します。
しかし、ほとんどの積み立て商品は、満期を迎える前に解約すると解約手数料がかかります。これを決断する為にはいくつかのポイントがありますので、手続きと合わせてご紹介します。
シリーズ全コンテンツとタイトルとリンクを以下に掲載します。
解約、もしくは全額解約(Full Surrender)とは、その名の通り、商品契約を解約し、全てのファンドを売却して得たお金を引き出すことです。
必要な手続き
・解約書類への記入、サイン、郵送
・有効なパスポートのコピー
・住所証明
※日本居住者の場合は運転免許証コピー裏表、国際運転免許証、取得から3ヶ月以内の住民票コピーなど
・送金先の銀行口座情報
・証券原本(プロバイダーによる)
※証券原本が無い場合、別の面倒な手続きが必要になる事がありますので、証券原本は無くさずに取っておきましょう。
手続き完了までの期間
・プロバイダーが書類を受領してからおよそ1ヶ月~1ヶ月半くらい。国際送金の場合、プロバイダーが送金してから3日~5日後の着金となる。
手続きにかかる費用
・解約手数料(契約残念数に依存)
※詳細は後述
注意事項
・解約には多額の手数料がかかる場合があるので注意。通常、満期を迎えない限り何らかの手数料がかかる場合がほとんど。
解約時の手数料は、中途解約の場合と満期解約の場合で大きく異なります。
中途解約時には必ず何らかの手数料がかかりますが、その手数料体系には大きく分けて2種類あります。
①初期約束口座+ボーナス分が全額手数料として引かれる
これは一番厳しい手数料の取り方で、ハンサードのアスパイアなどがこれに当たります。この手数料体系を取っているプロバイダー(商品)はそう多くはありません。
多くの積立商品において、初期約束口座の2年間(※)には投資金額に応じたボーナスがつきます。そのため、この期間に多くの金額を積み立てて置くとボーナスが多く貰える事になりリターンが一時的に多くなったように見えます。これを利用して、2年間だけは多めに積み立ててその後減額すればいいですよというIFAも稀にいると聞きますが、間違っていますのでご注意ください。
最初の2年間に無理して積立をしてその後減額をするのは愚の骨頂です。ボーナスは当てにせず、契約期間中無理なく積み立てられる金額を設定するのが原則です。
②契約残年数に応じて初期約束口座から手数料が引かれる
これが最も一般的な手数料体系と言えるでしょう。
通常、解約時には貯蓄口座からは手数料がかからず、初期約束口座から契約残年数に応じて差し引かれます、具体的に見ていきましょう。
これはある積み立て商品における手数料率の一覧です。
24年までしか無い理由は、この商品が最長25年契約だからです。
この表を見ると、25年契約をした人が
契約後1年~2年以内に解約した場合
→残年数22年なので初期約束口座から86%の手数料
契約後3年~4年以内に解約した場合
→残年数22年なので初期約束口座から80%の手数料
となります。非常に高い手数料で驚かれると思いますが、通常、このような手数料に関する説明は契約時にIFAより行われているはずです。もしそういった話を聞かずに契約してしまった場合でも、恐らくあなたがサインした契約書には手数料体系に同意する旨の文章が書いてあるはずですので、この手数料を避けることは出来ません。
ちなみに、契約から1年以内に解約すると全額没収となります。
通常、解約時はほとんど手数料がかかりません。敢えて挙げるとすれば送金時の送金手数料、為替手数料、受け取り側銀行の着金手数料くらいです。
しかし、ハンサードのアスパイアの場合など、ビッドオファー手数料7.5%があるので、これは解約のファンド売却時に実質的に引かれる事になります。
一部引き出しと同様、解約の際には証券名義人のパスポートと住所証明を求められる事がほとんどです。
その際に、パスポートが変わっていて変更手続きをしていなかったりすると、新旧両方のパスポートが必要になりますのでご注意ください。
※プロバイダーによっては有効期限の切れた旧パスポートであっても、プロバイダー登録のパスポート情報を一致していれば受け付けてくれる可能性もあります。
また、解約の場合、プロバイダーによっては証券原本の返却が必要です。証券原本をなくしている場合、別途紛失手続きが必要となります。紛失証明には日本の公証役場の認証が必要だったり大変面倒な手続きになる場合があるので、証券原本は極力無くさずに取っておきましょう。
解約したお金を受け取る際は、受け取り先を指定する必要があります。これは現金や小切手で受け取ることは出来ず、必ず銀行口座への送金となります。主に以下の3パターンがあると思います。
HSBC銀行口座をこの為に作る人もいるようですが、HSBCであれば当然何の問題も無く受け取ることが出来ます。恒生銀行や中国銀行などの他の中国系銀行でももちろん大丈夫です。
日本の銀行でも当然受け取りが可能です。ただひとつの条件としては、国際送金をする際に必要なSWIFTコードを持っている銀行である事です。SWIFTコードはメジャーな銀行であれば必ずありますので、地銀等でもだいたいOKですが、地方の信用金庫等では無いことがありますのでお気をつけ下さい。
これも日本の銀行で受け取るのと同様、SWIFTコードがある銀行であれば受け取り出来ます。世界中のシティバンク、HSBC、スイス銀行などなど、海外のどローカルの銀行でもない限りほぼ大丈夫です。
証券の解約をすべきかどうか悩んでいる方へ、判断するためのポイントを解説します。
これは当然ですが、積み立てに設定されている最低金額(概ねUSD200~300程度)を継続することが出来ない場合、持っていてもしょうがないので解約するという考え方はあります。ただ、契約残年数には十分注意してください。
積み立てを続けられないどころか、緊急の入院費用など急に資金が必要になった場合、かつ手数料無料の引き出しも出来ない場合、手数料かかってでも解約する方がいいかもしれません。
一部引き出しについては以下のリンクから御覧ください
6.一部引き出し(Partial Withdrawal)
おめでとうございます。
長期の積立を満期まで持ち続けられたあなたは凄いです。
満期を迎えても通常、契約者が99歳になるまで運用は続きますので、為替や運用益の高い時を見計らって解約すれば良いと思います。
お問い合わせ