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積み立て停止は手続きとしては可能だが運用上のデメリットに注意
ロイヤルロンドン(RL360)、ハンサード、インベスターズトラスト、フレンズプロビデントなどの積み立て投資をしている方から、
「積み立ては数年(多くの場合は2年)経てば止めて良いんですよね?」
と聞かれる事がよくあります。
これに対しては、
「手続き上は可能ですが、運用上は、将来の利回りを削ぐことになります」
という風に答えています。
積み立て停止が気軽にできる事はメリットだが。。。
積立投資商品の場合、商品の特徴として数年経過すると積立を停止することができます。
商品と契約内容によって最初に積み立てなければいけない期間(初期積立期間)が決まっておりその期間を過ぎるといつでも積立を停止することができます。
期間は概ね12ヶ月〜36ヶ月くらいです。
この商品の特徴は積立投資を始める大きな誘因になっていたはずです。
決まった期間を過ぎればいつでも積立停止ができるとなるとプレッシャーもなく気楽に始めることができるでしょう。
IFAスイッチにご相談いただく方の、およそ3分の1が積立投資を始めて数年で積立を停止されている方です。
この商品上のアドバンテージともいえる積立停止ですが、2つのデメリット、1) 重い手数料、2) 再開のタイミングを逃してしまう、があります。
1つずつみていきましょう。
積み立て初期は手数料が重くなる
オフショア積立投資は初期数年(1-3年)に積み立てた積立投資については手数料が重くかかり、その期間が終わった後に手数料が軽くなるという特徴があります。
重い手数料と軽い手数料の2つがあり、利回りを向上させるためには手数料が軽くなった後にどれだけ積み立てることができるかがポイントです。
たとえば最初の2年に積み立てた投資金に対する手数料が6%、それ以降に積み立てた投資金に対する手数料が1.5%だった場合、最初の2年だけ積み立ててそれ以降積立をストップしてしまうと6%が継続的に手数料としてかかることになりますので口座全体の手数料は6%のままです。
しかしそれ以降も頑張って積立を継続すると1.5%のウェイトが大きくなり口座全体の手数料は安くなっていきます。
この積立口座の手数料についてよく知らずに”数年経過したらやめられる”ということだけで積立停止をしてしまうと、最初の手数料が契約期間中ずっと重くのしかかってくることになるのです。
再開するタイミングを逃してしまう
積立投資の良い所は、毎月同じ日に決まった金額が勝手に投資金として拠出されていくことにあります。
毎月投資をしようかするまいか悩まずに、いつの間にか積立資金が拠出されていくことがメリットです。
一度この生活になれてしまうと慣性の法則が働き、積立資金を生活資金と別にしておくだけで自分のオカネが外で働いてくれる、というわけです。
逆に、積立を停止してしまうとその習慣が失われてしまいます。
積立をしない、という生活にいったん慣れてしまうとよほど意思が強くたとえば”積立停止は一時的なことだから、1年経過したら積立を必ず再開する”といったようなことがないかぎり積立を再開するタイミングが失われてしまいます。
積立を再開しなければ、積立投資のメリットでもあるドルコスト平均法も働かず投資リスクを分散する観点から望ましくありません。
これらのデメリットがあるゆえ、積立停止は慎重に決定するべきです。
積立停止の理由は、良い悪いを別として大きく分けて3つあります。
1) 経済上の理由
2) IFAのサポートが得られないから
3) 期待していたような利回りが出ないから
これらのうち、特に3)の理由で積立停止をするのはもう一度考えなおしたほうがいいかもしれません。
次の記事から積立停止の理由を1つずつ検討していきましょう。