昨日の記事では、「あなたがどういう経緯で海外投資をするに至ったか」、そして、そういった経緯で海外投資を契約した方の多くが何らかの不安を抱えて投資を続けているという話をしました。
それでは、どこに問題があったのでしょうか?
代理店ビジネスという名のマルチ商法
問題の根本は、金融商品の販売手法にあります。
以下の図は、通常の販売手法と、問題の多い販売手法を表したものです。
クライアントたるあなたにその海外投資商品を紹介してくださった方は、”代理店”と言われるところから十中八九販売手数料を受け取っています。
それはすなわち、あなたとの関係をおカネに変えたということです。
これはマルチ商法に近いものがあります。
IFAは金融商品提供元から販売手数料を受け取りますが、その販売手数料をさらに”代理店”に分配するかたちで契約数を増やします。
その”代理店”はIFAそのものではありませんし、また金融商品販売ライセンスを保有していないことが多いことから無責任な説明をします。
たとえば”オカネがこんなに増える”(※)というたぐいのことですね。
※よくある手法に、パフォーマンスの良かった特定のファンドだけ取り上げて、「ほら、過去の利回りは年利13.92%ですよ、凄いでしょう」と偽装することがあります。しかし、そのパフォーマンスはそのタイミングで投資を開始していたらという事であって、果たしてそのIFAが本当に投資を開始していたかどうかは知る由もありません。
マルチピラミッドの完成
クライアントに無責任な説明をし、商品を売りまくった後は野となれ山となれ。これが”代理店”の実態です。
さらにその”代理店”は紹介プログラムと称してまったく金融知識のない人たちに勧誘させます。
ここで、IFA→代理店→勧誘人(紹介者、二次代理店、あるいはさらにその下のx次代理店)というマルチまがいのピラミッドができます。
あなたはそのピラミッドの下部の方たちに勧誘され、契約した人たちからのクレーム(たとえば期待していた利回りが全然達成されないとか、事務手続きをお願いしても実行してくれない、といったような)が押し寄せて代理店自体が存続できなくなり、クライアントはすっかり取り残されてしまいます。
耳障りのよ い言葉だけを並べてあたかも少しの勇気で資産が何倍にもなるというようなことはこの世界には存在しません。
目的はあなたの資産を増やすことではなく、目先の販売手数料
ここで出てくる代理店や勧誘人にはほとんど、といっていいほど金融/経済の知識はありませんし、ましてやあなたの数十年後の老後を慮って”素晴らしい投資商品”を勧めているわけではありません。
ただただ数週間後の目先の販売手数料欲しさに過激な販売方法をとり、 数年するとクライアントからのクレームに耐え切れなくなり会社自体を解散させてしまうのです。
あなたの契約はまだ何年も、もしかしたら何十年も残っているのにもかかわらず、です。
この販売手法に大きな問題があるために、IFAがご自身の海外投資のなかでどういう役割を持っているかを理解しないまま、またそもそもIFAが誰なのかすら分からないまま多大な解約手数料を支払ってもとにかく契約を解除したいという方が後を絶ちません。
IFAはあなたに1)運用のアドバイスをし、そして2)各種事務手続きを代行する役割がある ということは以前のブログでも書きました。
そういう意味ではあなたのIFAは残念ながら、スーパーマンではありませんし、あなたの資産を爆発的に増やしてくれる人間ではないということを認識しましょう。