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きっかけはフレンズからのマイナンバー申請通知
前回のブログでもお伝えしたとおり、フレンズ社よりCRSの本格適用を受けて、香港外(例えば日本)に居住している方に納税者番号(マイナンバー)を通知するよう依頼がありました。今のところこの要請は任意となっています。この一件により、海外資産としてのフレンズプロビデントの証券の存在を隠したがっている人が、今年中に解約を試みたり、出来るだけ引き出したりといった行動に走っていますが、無意味な行為だとお伝えしておきます。
CRSが適用されれば2016年に保持していた資産が報告される
多くの方が誤解している事があります。それは、CRSが適用された際は、「その時点で保持している海外資産の情報が共有される」という認識です。このCRSの取り組みは国際的な租税回避行為を防ぐために行われるものです。もし、CRS適用前の情報が共有されないのであれば、適用前に多くの方が海外資産を解約したり移動させたりしてプロバイダーが大打撃を受けるのは目に見えています。OECDがそのような事をするわけがありません。
では正しい情報はというと、「CRSが2017年から適用されると、2016年に保持していた海外資産情報が共有される」という事です。ですので、今更慌てて解約したり一部引き出ししたりしてもそれは無意味であるどころか、日本での確定申告の対象となり、申告義務が生じます。もし税金関係で何か対策しようと躍起になっている方がいるとしたら、その意味で今できることは無いと言えます。
※資産1億円以上を有する方でしたらトラストを組む方法はあります。
フレンズだけの話ではない
今回、フレンズが一斉に契約者にメールを送ったことによってフレンズばかりがクローズアップされていますが、他のプロバイダー、例えばスタンダードライフ、サンライフ、FTLife(旧アジアス)、ジェネラリ、RL360°、ハンサード、インベスターズトラストなどの契約者、そしてHSBCなど海外銀行口座の保持者も状況は全て一緒です。マイナンバーを申告するしないに関わらず、海外資産情報は全て共有されます。その時に、事前にマイナンバーを申請しておいた方が何かと得ではないかと思います。
今できることはしっかり運用して出来るだけ資産を増やすこと
では、税金対策として出来ることは本当になにもないかというと、そうとも言えません。オフショア積み立て投資はそのほとんどが生命保険の枠組みの中で投資が行われています。生命保険は満期を迎えて解約返戻金を受け取らない限り、課税されません。その為、利益が出る、すなわち時価評価額が上がる度に課税されて資産を減らすよりも、利益をまた別の投資に回して増やしていける複利の効果を最大限高める工夫をすればよいという事です。
その為には、とにかくポートフォリオ管理をしっかり行うことです。満期時に備えて出来るだけ資産を増やしておくこと。もちろん最後には課税対象になりますが、利益が出る度に一部解約して課税されるよりは、節税効果は高まります。今海外資産を保有している人で、ポートフォリオがほったらかしにされ、将来増えるかどうかわからない人が今最も危惧すべき状態だと言えるでしょう。
ポートフォリオ管理についてご相談されたい方はどうぞお気軽にお問い合わせ下さい。