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IFAは変更可能なものと心得る
投資家の皆様がIFAを通さなくても各種手続きが出来るようにサポートするこのシリーズ。今回は第15回目、IFAの移管・変更手続きについてです。
IFAの変更なんて考えたことも無いという方は多くいらっしゃると思いますが、IFAがついている以上、多くの場合、あなたの証券の時価評価額から毎年1%の手数料がかかっていますので、IFAの役割は何なのか、そして今のIFAでいいのかどうかは常に考え、変更が必要だと思ったら変更できるという事を知っておく必要があります。
シリーズ全コンテンツとタイトルとリンクを以下に掲載します。
そもそもIFAとは?
IFAについての説明はこのブログでも何度かしていますが、改めて解説します。香港で言うIFA、そしてファイナンシャル・アドバイザーとは香港証券先物管理局(SFC)の免許を有しているアドバイザー会社、そしてアドバイザー個人のことを言います。
香港で投資のアドバイスをするためには必ずこの免許が必要です。アドバイザーは通常IFAに籍を置いて活動しています。 IFAとはIndependent Financial Adviserの略です。どの金融会社からも独立してお客様にアドバイスをしていることからIndependent(独立)と呼ばれます。アドバイザーは数あるプロバイダー、金融商品の中からお客様のライフプランに合ったものをご提案します。
IFAの本来の仕事について、様々な投資商品の説明、今は買い!今は売り!みたいなアドバイスばかりだと思っている方がいらっしゃいますが、この認識はかなり違います。利回りの数値ばかりを宣伝してその他のリスクについて説明しないアドバイザーには気をつけてください。IFAに所属していない自称アドバイザーも存在します。もちろん、商品契約後は、ポートフォリオの管理や各種お手続きのサポートを行います。
商品契約後に連絡がほとんど取れなくなってしまうような所はIFAとは呼べません。また、商品契約時に商品のメリット・デメリットをしっかり説明しているかという所もポイントですね。
IFAの移管とは?
IFAの移管とはその名の通り、今自分についているIFA(A社)を他のIFA(B社)に変更し、証券の管理権限、ポートフォリオの管理権限をB社に移すことです。
これによって、A社はもはやお客様の証券に関し一切の情報を知ることが出来なくなります。もちろん、運用レポート等を入手することも出来ませんし、スイッチングを代行する事も出来ません。
IFAを移管するという事は、自分の個人情報とお金を預ける先を変えるという事です。もちろん、プロバイダーを変えるという意味ではありません。
IFA移管を検討すべき時とは?
一般的に、以下の条件にひとつでも当てはまる場合はIFAの移管を積極的に検討すべきと言えます。
・今の運用成績に不満があり、かつ運用方針がIFAが示されていない
・IFAが徴収している手数料について明確に通知されていない
・IFAが香港の正規ライセンス(※)を取得していない
・IFAと連絡が取れない(連絡が取れるのは紹介者や日本の代理店のみ)
※ライセンスについてはこちらの記事をご覧ください
簡単に言うと、今の投資に何らかの形で不安があったり、どうしたらいいのか分からない部分があり、それを相談できないIFAであれば変えるべきという事です。
自分のIFAが誰なのかを知らない場合はどうする?
紹介者経由だったり日本の代理店経由で商品を契約した場合、自分のIFAが誰なのかを知らないという場合も結構あるようです。その場合、まずは紹介者や代理店経由でIFAの情報を取得してください。
もし教えてくれない場合、自分で直接ハンサードやRL360などのプロバイダーに問い合わせる事が出来ます。
商品契約をした時に登録したメールアドレスから問い合わせれば、プロバイダーは顧客に対して様々な質問に答えてくれます。
問い合わせの際は、自分の名前(アルファベット)、商品名(クォンタム、アスパイアなど)、証券番号(Policy NumberもしくはContract Number)などの情報を忘れずに記載するようにしましょう。
IFA移管に必要な手続き
IFA移管に必要な手続きについて解説します。各IFAによって書類が若干異なりますが、一般的には以下のとおりです。
◯必要な手続き
・IFA移管書類への記入、サイン、郵送
・移管先のIFAから要求される書類への記入、サイン、郵送
※移管先のIFAからは、主に資産状況申告書、リスク傾向アンケートなどへの記入を求められます。
◯手続き完了までの期間
新しいIFAが書類を受領してからおよそ2週間~3週間くらい
◯手続きにかかる費用
無料(書類郵送代のみ)
※IFAによっては移管手数料を取る場合もある
相場は3,000HKD程度◯注意事項
・住所変更やパスポート更新など、出来ていない場合はこの機会に同時にやっておきましょう。
ハンサードのアスパイア契約者がIFA移管をする為には?
ひとつだけIFA移管書類の例を挙げます。仮にハンサードのアスパイアを契約している方が、ABC company LimitedにIFAを移管する場合、以下の様なレターをハンサードに送る事になります。
契約者名は山田太郎さん、新しいアドバイザーは鈴木一郎さんです。鈴木一郎さんがライセンスを持ったアドバイザーである事を示すために、PIBAのライセンス番号を記載します。

これに加えて、新IFAとなるABC company Limited側で必要となる書類がありますので合わせて送付しましょう。
IFA移管をした事は前のIFAに知られるの?
IFA移管は何となく後ろめたいものに思われがちですので、IFA移管を検討している方からはこの質問をよく頂きます。答えは、
移管の事実は通知されるがどのIFAに移管したかは分からない

そもそもIFAがいなくても充分運用は可能
最後に、IFAはあなたの証券を管理する金融のプロフェッショナルとして、英語が全く分からない方やスイッチングが自分で出来ない方にとっては有効活用すべきものですが、逆に言うと、これらのサービスだけであれば、自分でやる事も出来ますし、手続きだけを他の会社に委託するという形も可能です。
弊社のサービスがまさにそれですが、
・契約中に発生する各種手続きの代行
・推奨ポートフォリオの提供とスイッチングサポート
これらの必須作業を専門に行っています。
特に、お客様→紹介者→代理店→IFA→プロバイダーというような間に人が何人も入っているような契約をされている方の場合、無駄なコストがたくさんかかってしまい、無駄に時価評価額を下げている可能性があります。IFAに支払う年間1%のアドバイザリーフィーは投資の世界では大変大きな意味を持ちます。是非その1%を有効活用するか、別の道に活かす方法を模索してみてください。
IFAが得ている報酬についてはこちらの記事でも解説しています。